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![]() マオはヨロヨロ立ち上がった。このまま引き下がっては男がすたる。 見ると、サユリは反対側にいる柴犬に気を取られている。 「今だ。」マオが子豚のように飛び上がった。 と、サユリが振り返り向き様お尻をブルブルした。 強烈な匂いがぶぁ〜と放たれた。 「クソ!フェロモン攻撃だ!き、きたないぞ!」 フェロモン臭で金縛りになったマオが、夢遊病者のようにサユリの尻に吸い寄せられていく。 ガオガオ・ンガガァー☆××☆ 肉弾が炸裂! カァーン♪ ![]() 「帰ろう。帰っておいしいカルビでも食べよう。」 私はそっと涙を拭いた。ボコボコにされたマオの背中は哀れだ。 「待ってください。」きいちママが紙袋を差し出した。 マオはすでに後部座席に乗り込み、息も絶え絶え。 おぼこ娘の流血大サービスで鼻血も出なくなっている。 「これはマオ様への貢物です。グラム1000円の村上牛のロース肉。3キロ入っています。」 「どうもどうも。」お礼もそこそこに車に乗り込もうとしている私。 「ボンボンママちょっと待ってください。これは前哨戦ですよね。」 「えっ!」 「だってまだ出会ったばかりじゃないですか。」 「ええー!?」 「このまま、マオ様に誤解されてお別れしたくありません。」 きいちママの肌はどこまでも肌色で、唇は赤い。目はクリクリパッチリだ。 「誤解も何もサユリは充分根性あるよ。他の男を捜しな。」 という言葉を飲み込んで私は言った。 「サユリはどうやらマオが嫌いなようですし、きいちママ。」 「実は、近所の柴犬ゴローにメロメロなのです。」 チャウチャウは思い込みの激しい犬だ。一度こうと決めたらテコでも動かない。 サユリは伴侶をゴローに決めていたのだ。 「でも、あんな庶民犬。ママは断固許しません。マオ様以外の子供は絶対にダメです。」 そうは言ってもマオはすでにやる気ゼロ。 牛肉の義理もある手前呼んでみたが、満身創痍のマオは座席にへばりついて するときいちママがバックからハンカチを出し、サユリの方へ行った。 「ふたりで公園を散歩しましょうよ。 ちょっと付き合えば、うちの子が情の深いかわいい女だってことがわかるはずですわ。」 彼女はマオの坐っている後部座席のドアを開け、楽しそうにハンカチを振った。 マオの表情が変わった。あれほど嫌がっていたのに車からフラフラ降りたのだ。 しかもその顔は弛緩してだらしない。 な、なにをしたのだ。この塗り絵女! 「うふふっ。ハンカチにサユリのフェロモン臭をつけてきたのです。」 オーマイ・ゴッド! オー・マイ・きいち! 「男なんてしょせんバカな生き物。さぁマオ様、行きましょう♪ あのブランコまで競争よぉ〜♪」 きいちママの声はどこまでも明るく、恐ろしかった。 終わり この後も、きいちママの陰謀と策略で、マオ皇帝とサユリはデートを重ねた。 デートはいずれも死闘のうちに終わった。 マオはメリーに サユリはゴローに恋心を抱き続けたのだった。
![]() 「サユリは処女ですって!」 「どうしてもマオの子供が欲しいそうよ。だから」 「何をしてもいい。何回してもいい。」 「グラマーとやりたい放題。」 「今日は、制限時間なしの出血大サービス。」 マオはジロリと上目遣いで見るとフンと鼻を鳴らした。 暑くもないのに汗がたら〜と流れた。 な、なんだって飼い主が犬にこんなに気を使わねばならんのだ! 「奉仕」という言葉が浮かんだ。 自分はこのような奉仕は好まないのであります。 が、すでにサユリに会っていた私はついヘドモドしてしまうのだ。 これは、めぼしい男がいないとわかっているパーテイーに女友達を誘った時以来だ。 目的地に10分で到着した。 すでにお見合いの公園にはサユリが待っていた。 サユリは腹ばいになって赤毛を風になびかせている。 風下から来たマオが、その強烈なフェロモンに鼻を鳴らした。 車を止めると私だけ降り、きいちママに挨拶した。 「サユリはきのう美容院でシャンプーしてもらいましたのよ。」きいちママはやる気満々だ。 「マオもきれいにしてまいりました。」 「今までサユリは想像妊娠ばかりしていました。でもこれで本物の赤ちゃんを抱けるかと思うと・・・」 きいちママが感極まって絶句した。 私は少しでもお役に立てればと口ごもった。 「マオ様。どうぞサユリに会ってくださいな。」 サユリがすっと立ち上がった。 「デカイ!」マオの1.5倍の大きさだ。 マオは小柄なチャウチャウで21キロだが、サユリは35キロあった。 サユリが戦う前のレスラーように対戦相手を睨みつけた。 マオがビクッと飛びのいた。 「デカイ・強い・怖い」内心オロオロしながら、私はマオをけしかけた。 「あんな生意気な女、とっととやっちまいな。」 マオは一瞬ひるんだものの、本能のおもむくままサユリの後ろに回った。 とたんにサユリが電光石火のとび蹴りをお見舞いした。ガツン☆ マオ早くもダウン。ワン・ツー・スり・・何が起きたのかわからないままマオが首を振った。 涙目のマオに私が悪魔の声で囁いた。 「イヤよイヤよも好きのうち。よし・得意のバックブリーカ攻撃だ!」 私はマオを引っ立てるとサユリのバカでかい臀部に乗せた。 ガオっ〜#うぉーわんわんわんжギヤギヤオー〜☆ サユリ獅子の咆哮が轟き地面がピシピシひび割れた。 見るとマオが顔を歪めて突っ伏しているではないか! マオの口からはあはあ・ぜえぜえと息だけが漏れている。 なんたるパワー!恐るべしサユリ!憎い女! 私はダミ声で囁いた。 「お前は勝てる。立つんだジョー。立ってあのブスを叩き潰せ!」 見ればマオは涙目どころか鼻汁まで流しているではないか。 しかしマオは本当に切れたようだった。 きいちママがオロオロしながら、「サユリ、赤ちゃん欲しいんでしょう。赤ちゃん作りましょう。 私は思った。 勝ちたい!マオに勝たせたい! 続く・・・ ![]() とボンボンママから教えて頂きました。 ![]() 先日私はデリヘルのやり手ババアが使っていたパソコンを借りる羽目になり、 全国デリヘル・ハローワークに精通してしまった。 それによるとデリヘル嬢の年齢制限は25才。 ガックシ! 切羽詰ってヘルスの門を叩き、パンツを脱いでも 「オバちゃんシッシッ。」と犬のように追い払われてしまうのだ。 まあ元々売り物になるほどの肉体派じゃないからいいが、買うとなれば話は別だ。 ボンボンママ、犬のデリバリーヘルスがあったらなんぼでも出します。 金で愛が買えるなら、あたしゃ犬歯で尻の毛を抜かれても構わん! よーく考えよぉ〜お金は大事だよぉ〜ウーッウッ♪ ロングタイム・アGO―GO。 突然マオが結婚を申し込まれた。 「わたくしはマオ様に一目ぼれした者です。」 きいちの塗り絵のような顔をした若奥様が言った。 「わたくしのサユリに偉大なマオ様の子供を産ませたいのです。一度サユリに会って頂けませんか?」 親ばか120%だった私がその申し出に小躍りしたのはいうまでもない。 やった、やった!初めての求愛に大興奮している私。ダンナが冷めた口調で言った。 「マオ細身がタイプじゃん。サユリってチャウチャウでしょう。ちょっとなぁ・・」 ちょっとなぁーってアータ、こんなおいしい話断るの? 「あのデブ毎朝公園でメリーの追っかけしているよ。」 メリー。 その名に背中の毛が逆立った。マオの運命の女だ。 メリーは3才のシェルテイー犬。ほっそりしたロン毛の美女である。 田舎の公園は広大だ。散歩が集中する時間をはずせばノーリードで犬を放すことができる。 最初のマオのお勤めは、忠犬タマ公の銅像に足を上げてピージャージャー。 タマ公というのは、雪崩で生き埋めとなった飼い主を救った伝説犬だ。 どんな伝説かというと、雪解けの春山で鉄砲を撃って、 自分だけ雪崩から逃げて後からノコノコ現場に戻ったタマ公だが、 マオが、忠犬タマ公銅像に放尿しまくるのも当然だった。 次にマオは便を公園のあちこちにばら撒いた。 その朝も私はミレーの絵画のように落ちブー拾いをしていた。 ふとマオが前方を見、鼻を鳴らした。 50m先に美形シェルテイーが小首を傾げてマオを見ていたのだ。 「うふっ。」 美形がからかうように微笑んだ。 マオの身体を一気にアドレナリンが駆け巡った。 「うふっふ。なんてご立派な毛並み。」 「あなたがマオ様ね。はじめましてあたしメリーよ。」 αとβが一気にドットコムコムしたマオはメリーに走り寄ると、有無を言わせずに抱きついた。 「な、なにをなさるんですか!」 「メリ〜。好きやぁー。」背後から羽交い絞めにしてマオがささやいた。 「迷惑かけないから。すぐ気持ちよくなるから。じっとしていて。」 「堪忍してください・・マオ様。あたし・・息が、息ができない。」 眉に立て皺を寄せて拒むメリーに、マオは絶頂の合図を感じた。 「むひっひひ。怖いか!痛いか!そうか、そうか、かわいいのぉメリー。」 「いや、いやいや。」尻尾をギュッとお尻に挟んでメリーが悶絶した。 「アニハセヨ・もっともっと怖がらせてやろう。メリーラブラブー。」 マオは己の肉棒をメリーの熟れた臀部に。 バシッ!そのとき頭上にハリセンが振り下ろされた。 「このアニマル!」むろん叩いたのは私だ。 「嫌だって言っているでしょう。」 その隙にメリーが脱兎のごとく逃げていった。 「ああー、僕の純愛が・・・。」「ドあほ!肉欲の亡者。バシバシ!」 マオはハリセンの乱打を浴びながら、運命の出会いを深く胸に刻んだのだった。 続く・・・
![]() 伐採された密林に、もはや隊長の仕事はなくなった。 新境地を開拓したくともこれでは手持ち無沙汰だ。 隊長は、毎日マオに抗生物質を飲ませ、皮膚に薬を摺り込むのだった。 「まだかな、まだかな、おケケはまだかなァー♪」 と隊長は、いつのまにかガッケンのおばちゃんになるのだった。 ところが抗生物質がなくなり、しばらくすると治り始めたマオの皮膚が、またジクジクとただれるのだ。 カサブタがぱっくり口を開け、黄色い膿が吹き出てくる。 そして赤いプチプチが一面に広がってくるのだ。 「だったらアレルギーの可能性がありますね。フードは何を食べさせていますか?」と獣医が言った。 「だったら」とは何事か! 隊長は大金使って、いい加減な処方するこの獣医を見切り、別な獣医へマオを連れて行った。 またもや皮膚にバリカンが入れられ検査。シャンプーと抗生物質薬。缶詰のフードも出された。 そのフードはアレルギー疾患の子に良いのだという。 シャンプーはアメリカ製のタール系の物を持たされた。 「これはニキビダニです。」女獣医が断言した。 「たっぷし検査して、たっぷし高級な物を出したので、たっぷし払ってもらいます。2万8千円。」 マオはフードに見向きもしなかった。 だいたい鈍感な我が鼻でも、その缶詰臭さに顔をそむけたくなるほどだ。 シャンプーはまた強烈な異臭を伴う物で、感触もヌメヌメベトッと洗ううちに毛が固まる気色の悪さだ。 抗生物質がなくなると、私はまた別の獣医の門を叩いた。 今度は「膿疱疹・ノウホウシン」。細菌感染が原因の皮膚の疾患という診断が下された。 「ええー。〇〇先生ではニキビダニといわれたのですよ。」 「あの先生のとこは婿養子なの。ご主人オドオドしていたでしょう。」 「優しそうでしたよ。」 「フン・あのネ・婿の癖にねポルシェなんかに乗ってんだよ。」許せる?許せんよな。 とその獣医は、まるで田中康夫ちゃんのようなネチネチした口振りで、小太りの腹を擦るのだった。 その夏私は何件の獣医にマオを連れて行き、一体いくら払ったのだろうか? もはや、場所すら覚えていない獣医も含めると10軒は回ったはずだ。 治療代は、エルメスのケリーバック一個分は払ったと思う。 ある日行きつけのトリマーさんが忠告してくださった。 「知人の犬が手術の麻酔が効かないで死んだのよ。」 「原因は抗生物質の飲みすぎ。その犬は2年くらい飲み続けていたそうよ。」 オーマイ・ゴッド! 背筋に冷たいものが走った。すでにマオはステロイド漬けだった。 最も懸念されたのは、皮膚病のリバウンドの仕方が強烈になり、間隔も短くなっていたのだ。 「いい獣医さん、紹介してくださらないかしら?」 皇帝の面影はいずこ、マオの身体は脱毛と発赤、色素沈着、浮腫で始終痒がっている状態だった。 むろん体臭以外の臭いも漂わせていた。 「もしかして、私はクズ犬を掴んだのか?」 「遺伝的に皮膚が弱い。」そう診断した獣医もいたのだ。オーマイ・ドッグ。 「ちょっと遠いんですが、私が以前勤めていた病院でもいいですか?」 トリマーさんが紹介してくださったのは、アフリカに5年、ニューヨークに3年勉強と臨床に従事していた先生だった。 翌日私とマオはその獣医を訪ねた。 「何を食べさせていますか?」 私はシドロモドロに答えた。 先生が、想像したよりハンサムだったからではない。 落ち着かないのは、様々な獣医でいろいろなフードを出されたものの、ほとんどゴミ箱へ放り込んだからだ。 さらに悪いことに、マオは気に入らないと全く口をつけないため、 つい好物の肉を混ぜて与えていたのだ。 「ドッグフードを止めてください。」とギア先生が言った。 「どうしてですか?」私がドッグフードに疑問を挟むと、どの獣医も口を揃えて言ったものだ。 「ドッグフードは完璧な食品です。何かを混ぜるからバランスが崩れて良くないのです。」と。 しかるに、このアフリカ帰りの獣医はダメだと言った。 どーして?どーして?教えてっ頂戴ッ* 「ドッグフードというのは人間で言えば、毎日インスタントラーメンを食べているのと同じことなのです。 フードには肉100パーセントと書かれている物があります。 肉だけの物が長期間持つはずがありません。この中に含まれている添加物は凄まじい量です。 止めて、昔ながらの犬飯にしてください。」 「残り物でいいということですか?」 「ええ。冷や飯に味噌汁でもかまいません。」 「先生。マオは肉が大好物なのですが、肉をあげてもいいですか?」 「脂っこくない物ならいいですよ。鶏なら皮を剥いでやる。 牛や豚は油のない箇所をやってください。牛肉100パーセントでもいいですよ。 それから、具合が悪いときは鶏のささ身だけにしてください。 ともかく魚でも油がないところをあげてください。野菜はよく煮ること。 お菓子とかトンカツとか味の濃いものはあげないでくださいね。 薬はだしません。2週間後にまた来てください」 ギア先生はハンサムな上に気前が良く、治療代は2800円だった。 その日からマオの食事は肉と、煮た野菜とご飯になった。 トッピングに豆腐やオカカ、スペアリブなどが入ることもあったが、フードは全て捨てた。 それから2週間後、 私たちはギア先生を訪ねた。 カサブタが取れたマオの皮膚には、うぶ毛が新緑の若葉のように生え揃っていた。 オーマイ・ドクター!オーソーレ・ビアンコ!アモーレアモーレ・マオー! 続く・・・?
![]() 毛を掻き出して袋へ捨てた隊長は、眉間の皺をいっそう深くした。 もう一度ブラシをマオの先ほど引っ掛った肩の辺りにグイッと入れた。 ブラシに溢れた毛束。はらはら落ちる毛。ああーこれは・ツチノコそれとも・お岩の霊・・・? 顔を近づけ、手を入れてマオの密毛をまさぐった。があまりにも毛深くその正体が掴めない。 しかしその手の感触には、ヌルとした油分がある。私は毛を掴んで軽く引っ張った。 ヒィーッ!黄色いネトネトが、血脂が抜けた毛根に付着している。 キモイ-キモ過ぎるぜマオ***お前はその身体に何を扶養しているのだ。 マオがブルブル猪首を振り、後ろ足で猛然と身体を掻きはじめた。 私は、マオが痒がっていた当たりをもう一度探った。 肩の一面10cm四方がハゲ、凸凹になった皮膚の表面から膿と血が滲んでいた。 手でちょっと摘んでみたら、あっさり周囲の毛が抜ける。 マオが喜んで尻尾を振った。マオ皇帝は獣医が大好きなのだ。 まるでマブ達に会いに行くように、用もないのに散歩の途中で獣医に寄るほどだ。 20cm四方バリカンを入れたマオの皮膚を診て医者が断言した。 「これは膿皮症です。」 膿皮症とはノミやダニ、あるいは何かの細菌感染によって発生した犬に多い皮膚疾患だ。 気温と湿度が高くなると、毛が密集している犬は特になりやすいのだという。 「シャンプーと抗生物質を出します。出来るだけ通気性を良くし、清潔にして下さい。 隊長は深く頷いた。アイ・アンダースタンドよ。 小さな容器に入った一本5千円のシャンプーをマオは一度で使い果たした。例の首輪を付ける。 当時のノミ除け首輪は、粉が吹いているゴムような素材に、ニンニクの匂いがした。 しかし抗生物質とこの処置で、マオの皮膚病は治った。 暑い日、私はマオを車に乗せ泳がせに行く。 棒切れを投げてやると、ザンブと川へ飛び込みスイスイ泳いで行く。 何故かこの川には古長靴がよく流れて来、マオはこのゴム長に目がなかった。 ひび割れて黒からグレーに変色したクタクタの物が特にお気に入りで、 見つけるとブルブル振り回しては飛ばし、また拾い、人に自慢して見せるのだった。 「何ですって?投げて欲しいの?もおー・こんな汚いもの、しょうがないわね。」 尻尾を振って待っているマオ。私は棒切れにお宝の古長靴を引っ掛けては、川へ投げてやった。 ああー・私の心はあなたのモノ♪喜び組喜び組♪ これが、毎晩オカマやレズの変態軍団と夜の東京を遊び歩いていた女の末路か。 私は誰?ここは何処?ああー太陽が・・まぶっちぃーЁ さて皮膚病が治って一週間とたたないうち、マオは再び皮膚病になった。 湿気にさらしていれば当然だろって? 今度は四肢の先と足裏かただれ、変色していた。 獣医がまた同じセリフを言い、同じ処方をした。 梅雨に入るとますます湿気がこもりやすくなるので、毛をカットした方がいいかもしれません。 早速マオは美容院へ送られてた。そうして百獣の王カットになって戻ってきた。 続く・・・
![]() 換毛期、マオをブラシッングすると一回に羽毛枕ひとつ分の毛が溜まった。 もう腕が疲れたから今日はお仕舞い。 と止めなければ蒲団くらい溜まったかもしれない。 毛細血管がどうなっているのか、マオの毛は抜いても抜いても湧き出てきた。 まさに精力絶毛。燃える赤毛の憎い奴。 チャウチャウの毛質はアンダーが綿毛、次に10cm程の直毛が生えており、 これが皮膚に隙間なくびっしりびっしり生えていた。 つまり冬暑く、夏は地獄の毛質である。 もし毛量番付があったら、横綱審議委員会にかけずとも横綱に君臨。 現在飼っているラサアプソも毛深いが、チャウチャウに比べたら関脇がいいところだ。 ボンボンの地肌はブラシのひと掻きで見られるが、マオの地肌を見るにはコツがいった。 まず両手にツバをペッペツしてこすり合わせ、その手を3毛作の密林へ差し込んで グイーッと気合もろとも掻き分けないと地肌を覗く事が出来ない。 またこの密毛はアマゾンの湿地帯のごとく花粉や種子の宝庫であり、昆虫王国でもあった。 クルエラよ、グレースの後釜はチャウチャウで決まりだ。 「パイパンのワンコもおまかせ!」 おー、クルエラ社長のガマ口が今・・ガバッと・・・\マネーの犬。 さてマオが来て3ヶ月。私のブラシがマオの密毛で止まった。 川口浩、藤岡弘とひろしシリーズの最終局面に来て、 ここはなんとしてもジャングルものの新境地を開拓したいボンボンママだ。 ブラシは密林にからんだ大蛇のようにその毛がからみついた。 私はサファリジャケットを脱ぎ捨てた。 すると!バサッ!こっちだこっちだ!ドタドタ、ガサガサ、おー! な、なんだ!絡みつく大量の毛がブラシのみならず下へバッサリ落ちた。 毛根には怪しげな黄色いネトネトが大量に付着。
![]() 「クマはおかしな犬だった。中略。人間との距離をいつもとっていて、飼い主の私にさえベタベタしなかった。 つまり、顔や手を舐めるような真似は絶対せず、幼いうちから自分というものをきちんと持っていた。」 と描かれているが、マオもそうだった。 仔犬らしくはしゃいで走り回ることもあったが、マオはほとんどの時間を涼しい場所で寝て過ごしていた。 なにしろ一日20時間は寝ているのだ。 クルエラが置物と間違えるのも無理はない。 果報は寝て待てなのか、瞑想に耽っているのかマオは時折位置移動する他は朝寝、昼寝、夜寝と眠っていた。 仔犬のときはそれでも触られれば尻尾を振ったが、 私はあなたの領分には入りません、ですからあなたも私の領分には入らないでください。 当時は物足りなさを覚えたものの、後年はそこがこの犬種の最大の魅力であることを知る。 獣医によると、マオは左の股関節にゆがみがあるため、 その為、股関節を支える筋肉をしっかり付けておくようアドバイスされた。 すでにローレンツ博士の著書に親しんでいた私は、マオを様々な場所へ連れて行き、 私は基本的に犬に芸を教えるのを好まない。 お手は夕飯に、肉料理を食べていた私の側でマオが偶然片手を膝に置き「それを下さい」とせがんだのだ。 「お前は天才だ!」私は喜んで涎だらけの顔をしたマオにご褒美の肉を与え、その天才ぶりを褒めちぎった。 一発で「お手」を習得。しかしこれが後であだになった。 チャウチャウの手は大きくて太い。手先はまん丸いグーで、指はほとんどないといっていい形体だ。 その為そうっと「お手」をするという芸は望むべくもなく、欲しい物があると必死でその手を叩きつけるのだ。 ある夏の日、ハーブをたっぷりまぶした得意のローストチキンを焼いた。 鶏は伊達鳥。ニンニクとチキンの香りが家中に漂っている。 こんな時、グルメのマオは「こんなもの誰が食うか!」とばかり自分の夕飯の皿を跨いで、人間の側から離れない。 視線は人の一挙一等足に注がれ、涎がポタポタではなくドポンドボン流れ落ちる。 さあマオのお手だ。 80才を超えたオババのほそーい腿をマオが叩いているのだ。 その昔ジョセフイン・ベーカにそっくりと讃えられた脚線美も、寄る年並みで骨と皮ばかり。 オババは慌てて肉を放り出した。マオはいただきまあーす。一口ゴックンした。 「よく混ぜといたほうがいいよ。」旦那がすかさず言った。 アラスカのクマが鮭の腹だけ食い散らかすように、マオは乗せた大好物だけゴチになり他はポイするのだ。 マオは上機嫌で皿の物を食べ始めた。 しばらくすると今度は「痛い・痛い!わかったからもうお手しないでよッ!マオ!」 旦那が肉を放り出した。 短パン姿の膝上は、まん丸グーのみみずばれで血が流れているではないか。 尻尾を振って蝶のように舞い、蜂のように踊るマオを私は必死で止めた。 かくしてその晩の我が家のデイナーは「痛い!」と「こっちへ来るな!」の阿鼻叫喚、 続く・・・?
![]() いかん耳にこびりついた北朝鮮のプロパガダンがつい・・・・。 あの林家三平師匠のような頭に不細工な顔、 もと中国四千年の食用犬マオの姿が蘇ってきたではないか。 「あのデブが白馬に跨っている姿は放送禁止にしろ!動物虐待だ!」 独占!ボンボンママ〇秘肉声映像。 と前置きが長くなって申し訳ない。 前回の続きからです。 愛らしい姿であるが、マオの態度は妙に落ち着いた仔犬らしからぬふてぶてしさだった。 体格は3頭身。 恐らくこれは囲いから逃げ出さないように改良されたのだろう。 世界屈指のチャイニーズの美意識は究極のフィッチ・宦官と纏足の文化を生み出した。 チャイニーズにとって、犬の関節をひとつへらすくらいお茶の子サイサイだ。 余談だがマオと一緒にペキニーズも飼ったが、この子が台湾から来たアルビノで、 宮廷の慰み者にふさわしい白痴であった。 しかしアバタもえくぼ。 大切に育てようと固い決意をしていた。 立派なケージをベランダに置き、マオをその晩からそこへ寝かせるためケージへ入れた。 入れた途端マオは吠え始めた。ドアに体当たりもしている。 飛び起きてケージから出すと、尻尾を振って飛びついてきた。 そうしてしばらくあやしてケージへ入れようとすると絶対に入ろうとしない。 無理やり入れてドアを閉めた。 ベットへ戻った私にまたマオの吠え声が追い討ちをかける。 ダメダメ。最初の躾が肝心。本にも書いてあったわ。初日が大切だって。 しかしマオは吠え続けた、泣き続けた。 30分経っても泣き止むどころかますますやかましくなってきた。 もう辛抱ならん。プリプリしながらマオ!とベランダへ出てケージを開けた。 が、クィーンとすがって来る仔犬の泣く声にあたしゃ腰砕け。 淋しいか・・そうかそうか。家族と離れたばかりだものな。よーしよしよし。 私は寝室の近く、洗面所に新聞紙を敷き詰めて囲いをつくった。 匂いのついたクッションを置き今度はそこへマオを入れた。 今夜はそこでおやすみ。 途端にワンワンギャンギャン・アーンオーン。ガリガリ・バキーン。シャーア・・・ピチャピチャ? その晩私は仔犬の大鼾を子守唄にソファで一晩過ごした。 一睡も出来なかったことはいうまでもない。 続く・・・
![]() 面倒なので毛沢東の愛称マオと呼ぼう。 マオは生後2ヶ月半で里子へ出された。 里親の私はこの仔犬のマオに会った時1秒で惚れてしまった。 私は惚れっぽい女だが、1秒で惚れた男はいない。 見た途端嫌いになった男はごまんといるが、見た途端嫌いになった犬はただの一匹もいない。 マオに出会う前から犬を飼うなら今度はチャウチャウと決めていた。 チャウチャウをはじめて見た時の印象は強烈だった。 大きくモコモコして愛らしく、アーモンド型の小さな瞳と素晴らしい毛並みに悠揚な物腰、 後にチャウチャウがジョージ・オキーフやフロイト博士の愛犬であり、 マオに出会った私は、この犬と暮らすためにこれまで生きてきたのだとすら思ったものだ。 クマっ子♪ブタっ子♪マオマオモコモコ肉丸君♪と口ずさんだ。 マオは新幹線のグリーン車で一声も泣かず、大人しくバスケットの中で寝ていた。 私は結婚したばかりでまだ若く、マオも小さく、そして人生はこれからだった。
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